【Rhinocerousからイラレへ】図面をきれいに読み込む設定とテクニック

illustrater

「Rhinoceros(ライノセラス)のMake2D、便利だけどIllustrator(イラレ)に持っていくと線がガタガタ、バラバラ…」 「不要な線を消したり、繋ぎ直したりする作業に何時間もかかってる…」

建築学生なら誰もが経験するこの悩み。プレゼンボードやポートフォリオの締め切りが迫る中、この無駄な作業に時間を奪われるのは本当にもったいないですよね。

でも、安心してください。Rhinocerosから書き出す時の「ある設定」を変えるだけで、Illustratorでの修正作業がほぼ不要になり、驚くほど綺麗な図面を読み込めるようになります。

この記事では、僕が試行錯誤の末にたどり着いた、RhinocerosからIllustratorへ図面を綺麗に連携させるための設定とテクニックの全てを、ステップバイステップで徹底解説します。

結論から言うと、書き出し形式は「DWG形式」を使い、書き出しスキームを正しく設定するのが最適解です!


なぜRhinoの図面はIllustratorで汚くなるのか?

設定方法の前に、なぜ問題が起きるのかを簡単に知っておきましょう。主な原因は、RhinocerosとIllustratorでの線のデータの持ち方が異なるためです。特に複雑な曲線(スプライン曲線)を無理やり変換しようとすると、線が細切れになったり、ガタガタになったりしてしまいます。

illustratorの.ai形式で直接保存するのではなく、一度CADの標準形式である.dwgを経由し、その際に「こういう線の形式で書き出してね」と正しく命令してあげることで、この問題を解決できます。


【Step by Step解説】RhinoからIllustratorへの書き出し設定

ここからが本題です。この手順通りにやれば、誰でも綺麗な図面を書き出せるようになります。

Step 1: 【Rhino】Make2D前の”レイヤー分け”が命!

綺麗な図面は、Make2Dを実行する前の準備で決まります。Illustratorでの作業効率を上げるために、オブジェクトの種類ごとにレイヤーを分けておきましょう。

<レイヤー分けの例>

  • 構造体(壁、床、屋根)
  • 建具(窓、ドア)
  • 家具
  • 外構
  • 断面線(切断する部分)

こうしておくことで、Make2Dを実行した際に、これらのレイヤー構造がIllustratorにも引き継がれ、後の線種や線幅の変更が一括でできるようになります。

💡そもそもIllustratorのレイヤーって何?という方は… Illustratorでの作業効率化にはレイヤーの理解が不可欠です。まずはこちらの記事で基本をマスターしておくことを強くおすすめします!

関連記事:【建築学生向け】Illustratorのレイヤー機能を制覇!図面・プレゼン作成が劇的に速くなる使い方を徹底解説

Step 2: 【Rhino】Make2Dコマンドの推奨設定

Make2Dコマンドを実行するとダイアログボックスが開きます。ここでいくつかチェックを入れましょう。

  • オブジェクトのプロパティ: ソースのレイヤーを維持 に設定。これでStep1で分けたレイヤーが維持されます。
  • 表示: 接線をエッジシーンシルエットを表示 にチェック。これにより、曲面の輪郭線などが綺麗に抽出されます。
  • 隠れ線: 必要に応じて隠れ線を表示にチェックを入れ、隠れ線レイヤーに分かりやすい名前をつけておくと、後で破線などに変更しやすくなります。

Step 3: 【Rhino】”Export”設定が最重要!これが神設定だ

Make2Dで生成された図面を選択した状態で、Exportコマンドを実行します。

  1. ファイルの種類で「.dwg」を選択します。
  2. ファイル名を入力して保存を押すと、「DWG/DXF書き出しオプション」というダイアログボックスが開きます。
  3. 書き出しスキームのプルダウンメニューから「2007 Polylines」を選択します。

ここが最重要ポイントです! 多くの解説サイトでは「Default」や「2007 Natural」が推奨されていますが、建築の複雑な図面では「2007 Polylines」が最もIllustratorとの相性が良く、線がバラバラになるのを防いでくれます。


【Illustrator側】読み込み後の時短テクニック

DWGファイルをIllustratorで開いた後の、ちょっとした一手間でさらにクオリティと効率が上がります。

テクニック1:最初にやるべき「クリーンアップ」

いくら綺麗に書き出せても、微小な不要線や余分なアンカーポイントが残っている場合があります。

  • 連結: Ctrl + A (Mac: Cmd + A)で全てのオブジェクトを選択し、Ctrl + J (Mac: Cmd + J)で連結します。これで細切れになった線が繋がります。
  • 単純化: 線がカクカクしている場合は、オブジェクトを選択した状態でメニューバーの オブジェクト > パス > 単純化 を試してみましょう。滑らかな線に補正してくれます。

テクニック2:ライブペイントツールで一気に着彩

壁に色を塗ったり、床のハッチングを入れたりする際に、パスが閉じていなくて塗れない…という経験はありませんか?そんな時は「ライブペイントツール」が非常に強力です。

着彩したい範囲のオブジェクトをすべて選択し、ライブペイントツール(ショートカットキー: K)に持ち替えてクリックするだけで、閉じられていないパスがあっても見た目通りに直感的に着彩できます。


よくあるトラブルシューティング(Q&A)

Q. 曲線がガタガタになってしまいます。
A. 書き出しスキームが「2007 Polylines」になっているか再確認してください。また、Rhinoceros上の元の曲線自体が複雑すぎないか、SimplifyCrvコマンドなどで単純化しておくのも有効です。

Q. ファイルサイズが異常に重くなってしまいます。
A. Make2Dの際に、非常に細かいハッチングや不要なオブジェクトまで図面化している可能性があります。書き出す前に、不要なレイヤーは非表示にするか、オブジェクトを削除しておきましょう。


まとめ:正しい連携で、モデリング後の作業を加速させよう!

今回は、RhinocerosからIllustratorへ図面を綺麗に書き出すためのテクニックを紹介しました。

  • 準備が9割! Rhino側でしっかりレイヤー分けをしておく。
  • Make2Dでは「レイヤーのソース」と「接線を維持」をチェック。
  • 書き出し形式は「DWG」、スキームは「2007 Polylines」を選択する。
  • Illustratorで読み込んだら「連結」と「単純化」で仕上げる。

このフローをマスターすれば、今まで図面の修正に費やしていた時間を、デザインの検討や他の作業に充てることができます。ぜひ、あなたのPCのRhinocerosでこの「神設定」を試してみてください!


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